市民ジャーナリズム

知ろう

市民ジャーナリズムがもたらす影響力

知られないことを知ることが出来る

特定秘密保護法案によって情報規制が敷かれることになるのが目前と迫ってきている中で、今後市民ジャーナリズムの存在意義が問われることになるのは目に見えている。それに関しての意見をまとめるとするなら、今後益々日本の中で情報を欲しようとする人が出てきてもおかしくない状況になりつつあると見て良いだろう。中には法令に抵触することを覚悟して、という人もいるかもしれないが、そうした例についてはあまり参考にすることは出来ないところでもある。ただ市民記者という存在がこの法案によってより活動する意味を見出す十分な材料として活用されていくことは目に見えている。

特にスマホなどのツールを持っていればそれだけで情報を発信するだけの術を既に獲得しているため、本人にその気がなくてもジャーナリストといった面を自然と持ってしまうため、特に法案で規制対象となりそうな情報をネット上にばら撒くと言ったことをしては、もはや言い逃れできなくなってしまいかねないのだ。以前、とある登録制のアルバイトをしていたときのこと、そこで働いた情報に関して秘密にしなければならないことは隠し通さなければならない。ただ中にはそこで見聞きした情報をまるで罪の意識なく、1つの話題としてインターネット上に投稿してしまうと、その時点で意図的かどうかという点に関わらず、情報漏えいをした罪として逮捕される、あるいは訴えられてしまうと言ったことになりかねないのだ。特定秘密保護法案に関して言うならそこが怖いところ、だからこそ明確に対象となる情報の線引きをしっかりとしてもらわなければ、どんな情報が国家そのものにダメージを与えるものなのかどうかを国民が判断できるモノでは無い。もちろんだがそんな情報を知っても得をする人は少ないと思うが、どこかで何かしらここまでの情報を公開しないように気をつけてくださいとする意識を持つように教育することも、今後の課題だろう。そもそも守秘義務という言葉に疎い日本人そのものに問題があるのだが、そこの部分から根本的に改善していかなければならないとは思う。

ただ、それで市民記者の存在意義が剥奪されるわけでは無い、むしろそうした情報以外の、普段のメディアで取扱われないような情報を仕入れることができるという意味では、市民ジャーナリズムは大いに役立つ。報道されないからこそ知らない真実を知ることも出来るのが、市民ジャーナリズムの一番の強みだ。


市民が撮影したリアルな状況で世論が動く

スマホ、または携帯の普及によって便利になったのはカメラが付いていること。デジカメなどを持っているならまだいいが、携帯やスマホは必ず持っていなければならない手荷物と化しているため、それを普段からカメラなどを利用する習慣を身につけておくと、即座に対応することが出来る。市民記者ならではの利点だが、実際にそうした行動によって時に世間を、また時に自衛隊を、はたまた海外のメディアから動画を使用したいとの申請まで来たという事例も出ている。

大手メディアでには出来ないことでも、一般市民の誰もがその気になれば出来るのが市民記者の何よりの強みだが、その中でも特に世間の関心を動かした物をいくつか紹介しよう。

河口湖での大雪によって、過疎地域のホテルが陸の小島とかす

2014年2月に起きた関東を中心とした異常気象ともいえる豪雪、それによって多くの人が帰宅困難などに曝されたのが記憶に新しいと思うが、その天候によって山梨県は河口湖町にあるとあるホテルが、豪雪によってライフラインを含めた交通事情がすべてシャットアウトされてしまうという事件が起きる。その際、宿泊していた人々から豪雪による被害の状況が動画投稿サイトを経由して広まり、それに気付いたテレビ局がその様子を公開したことで緊急事態だとする状況を世間へと発信することが出来た。

結果、翌日には自衛隊からの救助が要請されるなど、人通りも決して多くない村で起きた陸の小島騒ぎも事なきを得た次第だったという。そもそも食料流通などにも問題を抱えていたため、もしも救助が少しでも遅くなっていれば騒ぎは益々大きくなっていたという。

原発作業員が告発した動画

こちらも反響が強かったのが、2011年に起きた東日本大震災における福島第一原子力発電所による事故のため、施設内を作業する状況、また福島第一原発がどのような状況になっているのかを作業員をしていた人からの投稿などでも、どんな状況なのかを詳細に動画として報道された。大手メディアが国から自然と情報規制をかけられているそういった情報が、市民を通じて公表されるという、皮肉な展開を呼び込むことになったが、総体的に見れば正解だったと言える点ではある。

イギリス公共放送から映像使用も出てきた、戦争の裏側を映した動画

とある投稿者が映したのはうさぎたちが群がる映像、日本で別名うさぎ島とも呼ばれている『大久野島』にてうさぎが沢山移っている映像が公開されたが、この島は元々太平洋戦争時に毒ガス製造プラントがあった場所で、島の内部にはいまだその施設跡が残されている。映像が後半に差し掛かるとそこに映し出されるのが、それまでの和やかな雰囲気とは打って変わっての廃墟が立ち並んでいる映像だった。

歴史の爪痕を感じさせる映像となっているが、この映像が公開されるとなんと投稿者宛にイギリスのBBC放送が映像を使用したいとする依頼が来て、承諾すると実際に放送されたというのだ。海外ではローカルな話題でも取り上げるだけの気概を見せるため、中にはそれこそ何気なく撮影した動画が世界へと情報発信されるかもしれないという点で、市民記者と言う存在が今後必要となる時代が迫りつつあることを感じさせる一幕でもある。